スポーツ選手とスポンサーとの資金面での関係

スポーツ選手とスポンサーとの資金面での関係

アメリカの経済誌「フォーブス」は、「スポーツ選手長者番付」を毎年発表しています。2019年版の長者番付については2018年6月1日から2019年6月1日までの1年間に、スポーツ選手が得た賞金や給与、スポンサー収入などを算出し、2019年6月11日にその結果を発表しました。

2019年版長者番付ではサッカー選手であるリオネル・メッシ(バルセロナ所属)がトップとなり、メッシの上記期間の年収は1億2700万ドル(約138億円)であると算出されています。

そしてこの金額のうちの3500万ドルは、スポンサーとの契約による各種収入であるところが注目点です。年収の実に3割近くを占める、多額な金額となっています。

スポンサーがこれほどの多額の金額をメッシに注ぎ込んでいるのは、メッシに投資することで絶大な広告効果が見込まれるからです。

例えばシューズメーカーのアディダスは、メッシに特注スパイクを提供しています。

スター選手のメッシがアディダスのスパイクを履いて試合に出ることで、世界中のサッカーファンにアディダスのシューズを目にしてもらうことができます。「メッシが使っているのだから、アディダスのシューズは性能がとても高いのだろう」と強く印象付けることができるのです。またサッカーほどの世界的人気のスポーツともなると、サッカーファン以外の一般層への宣伝効果も大いに期待できます。

メッシの他に年収ランキングの上位に入ったスポーツ選手たちも、メッシ同様スポンサーからの資金提供が多額であることが共通しています。

このようにスポーツ選手に多額の収入をもたらすスポンサー契約ですが、問題点もあります。

それは広告効果があまり期待できないマイナースポーツや、成績が伸び悩む選手にはスポンサーが付きにくいという点です。

スポーツは実力がものをいう世界なので仕方のない面はありますが、多彩なスポーツの発展のためにはマイナースポーツや幅広い選手層を支えるための資金協力が必要なことも確かです。このような意識を持った企業や団体も少なくはないのですが、上記のサッカーとメッシのような人気スポーツ・選手への支援額と比べたら遠く及ばないのが現実です。スポーツ選手とスポンサーとの資金面での関係は、改善点も多く抱えているともいえるでしょう。